1997年、文学、旅

読んだ本、日々感じたことなど

Le souvenir comme un histoire

 ふと、夕方を吹き抜ける風がとても心地よくなっていることに気づく。

かすかに虫の声が聞こえる、夏の気配がする。

 

17時ごろのこの感じ、思い出すのは高校の時の部活からの帰り道だ。

グラウンドを走り回ったから身体はもうクタクタで、空腹感は最優先事項だった。

電車内にはわずかの人たち、聞こえるのは電車の音と初夏の音。

極楽寺駅でいつも聞こえた小川の音は、間違いなく青春の1ページになっている。

 

高校生活をこうして思い出してみると、こうした無数の名もなき風景があったのだなと感じる。

期末テストのことなんて都合の良い記憶だけだ笑

部活だったり、受験だったり、友達だったり、人によって3年間の中から切り取るイメージは様々だろう。

 

『物語の役割』小川洋子

「人は現実を自分に合うかたちで、物語として受け入れている」

 

80年生きて、その人がどんな風景を切り取っていくのか、そして最後に残るもの。それが生きかたなのだろう。

素材はこれからたくさんあるはず、どんな切り取りかたが出来るのだろうか、、

 

 

物語の役割 (ちくまプリマー新書)

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